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バベルの塔を建てませんか?
  • 2020.1.14
  • Education Div.
  • KURAGE

バベルの塔を建てませんか?

こんにちは。教育事業部の鈴木です。 これまでJELLYFISHで国内外の日本語学校運営に携わってきましたが、昨年、社内起業でBABEL METHOD株式会社を設立し、法人向けにオンライン日本語会話学習サービスを提供しています。 社名は、記事のタイトルにもなっている「バベルの塔」にちなんで付けました。 天にも届く高い塔を建てようとして神の怒りにふれ、言語はばらばら、人々は散り散りにされたという話から、社名には「再び言語を統一して神に挑む!」という思いを込めています。 「言語を統一」とはいっても、べつに、世界中の言語を日本語に統一したいというわけではありません。 ①外国人が日本語を学ぶ ②①がどんなことなのかを日本人が理解する ③お互いの価値観や文化を理解して尊重し合う ④コミュニケーションが機能する ⑤共通の目的や目的に向かって知恵と技術を集結できる ⑥平和で幸せな社会を築く ということが目的です。 きょうは、②「外国人が日本語を学ぶのはどんなのことなのか」を少しお話したいと思います。 日本語の難易度は、英語ネイティブから見るとどのぐらい難しいと思いますか? 実は、日本語の習得難易度は世界最高だそうです。 米国国務省の付属機関FSI(外務職員局)の調査データによると、 日本は、最高難易度のCategoryⅤ+に分類されています。 下の図を見てください。日本と同じ色の地域、国はありません。 ちなみに、日本人が外国語を学習するとき、英語はCategoryⅢレベルのなので、日本人が英語を学ぶより難易度が高いんです。 では、いったい日本語の何がそんなに難しいのでしょうか? まっさきに思い浮かぶのは、「漢字」という答えだと思うので、漢字を例に難易度についてお話します。 日本人が小学校で学習する漢字は1026字、中学校で1110字です。日本に住んで、毎日日本語を目にしている日本人が9年かけて2136字を覚えるわけです。 一方、外国人はどのぐらい時間をかけて、どのぐらい覚えるべきとされているのでしょうか。 2010年に改定される前の旧日本語能力試験では、最高レベルの1級(現N1)の出題範囲は2000字で、日本人が9年かけて学ぶ漢字の数とほぼ同じです。 1級(N1)レベルの日本語習得時間の目安は900時間となっています。 単純に言うと、日本人が9年かけて覚えるものを、外国人は900時間で覚えろということです。 この「900時間」には漢字だけではなく、文法や語彙(1万語)、読解、聴解などの学習時間も含まれているので、漢字学習に限ると、当然もっともっと少ない時間になるはずです。 なので、漢字学習時間を500時間として考えると、1年間毎日約1.5時間近い学習時間が必要ということになります。 もう一つ言うと、この”900時間”は、漢字圏(中国や韓国)の学習者が多い時代に考えられたものなので、東南アジアや欧米のように漢字にまったく馴染みがない人はこの何倍もかかることが考えられます。2倍としても1年365日、毎日休まず2時間勉強したら、やっと到達できる数字です。 古代エジプトの文字ヒエログリフを毎日1.5時間、365日かけて2000字覚えろと言われて、はたして覚えられる人がどのくらいいるのでしょうか・・・。 むり~ という叫び声が聞こえてきそうですね。 日系企業では、「英語が話せてN1に合格している、もちろん会話レベルも高くて、できれば日本で働いた経験があって実務スキルの高い外国人材がほしい」というニーズが多いそうです。 そのような人材がいったい何人日本にいるのでしょうか。。。 日本語が難しい原因はほかにもいくつか理由があります。 「よろしく頼むね」 「ご注文は何になさいますか」 「明日どこ行きたい?」 のように、主語をとばすという特徴もあり、だれが何をするのか非常にわかりづらいです。 というか、そもそも日本語の「主語」は何なのか、も問題です。 「象は鼻が長い」「私の父は背が高い」 日本語教育を学んだ方ならこの文は必ず目にするのですが、 皆さんなら、外国人にこの文の構造をどうやって説明しますか? この文型は、日本語学校ではかなり早い時期に学習します。 つまり、日本語がまだほとんど通じない段階です。そのレベルの人たちに 「この文の主語は何ですか?」 「”は”と”が”の違いは何ですか?」 と聞かれたら、どう説明しますか? 仮に、あなたの説明を理解したとして、その外国人は”は”と”が”の違いをきちんと区別して話せるようになるでしょうか? 話が長くなってしまいましたが、日本語習得は日本人が考える何倍も難しいということです。 日本人はそれをまだまだ理解できていないと私は思います。 それでも、日本語を学んで日本人とわかりあおうと努力する外国人がいます。 日本人としてそれに応えていきたい。 難しくても挑戦していきたい。 …